ムギの読書部屋

本の感想ブログ。ファンタジー多めです。

春に読みたい!おすすめ本

こんにちは、ムギです。

 

最近は春らしい陽気が続いていて嬉しいですね〜。寒くも暑くもない時期って、貴重です。

今回はそんな春の日差しの下で読みたい本を、今まで読んだ中から6冊選んでみようと思います。

 

 

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目次

 

 

 

1.西の魔女が死んだ

作・梨木香歩

 

学校へ行けなくなってしまった中学生の 「まい」は、イギリス人の魔女である祖母のもとで魔女修行に励みます。

 

魔女修行といっても、タイトルから想像するようなファンタジーではありません。

おばあちゃんの言う「魔女」になるための条件は

「自分のことは自分で決めること」

「ほんとうでないことに惑わされないこと」

「自分の心の声に耳を傾けること」。

おばあちゃんの魔女としてのあり方は一本芯が通っていて、読みながら目の前がクリアになるような気がします。

 

普段は魔法の力を使わないおばあちゃんが、物語の最後に一度だけ使った「魔法」とは?

基本的に淡々とした物語ですが、このラストシーンは静かな感動がぐわっと押し寄せてきました。

新生活を前に、気持ちを一新させてくれる一冊です!

 

 

2.アヒルと鴨のコインロッカー

作・伊坂幸太郎

 

「一緒に本屋を襲わないか」。

アパートに引っ越してきた大学生の主人公が、隣人にそう誘われるところから物語が始まります。

 

なんとも不思議なあらすじのミステリー小説。

伊坂幸太郎さんらしいユーモアのあるセリフの言い回しを楽しみながら、さくさくっと読んでいると…。

はい、見事に騙されました。

事前にどんでん返しがあると分かっていても、思わず鳥肌が立ちます。

 

軽やかだけど、どこかやりきれない感情が残る読後感もまた良いんですよね。

春っぽいちょっと乾いた空気感が、この時期にぴったりではないでしょうか。

 

 

 

3.グリーン・レクイエム

作・新井素子

 

植物学者の主人公が恋をした女性は、緑の髪のの異星人だった。

植物をテーマにしたSFです。

ストーリーは短く読みやすいのに、なぜか強烈な印象を残す物語です。

 

ちょっと変わった文体で、好き嫌いは分かれると思います。だからこそ、この独特の世界観を作り出しているんですよね〜。

読んでいると、草花の鮮やかな緑色やそよ風、静かに流れるピアノの音色を五感で感じるような気がします。

春の日差しの中でまどろみながら読みたいです(*^ω^*)

 

本作についての記事を、以前アメーバブログの方で書いています。

詳しい感想はこちら→ グリーン・レクイエム

 

 

 

4.ずっとお城で暮らしてる

作・シャーリィ・ジャクスン

 

メアリ・キャサリン・ブラックウッドは十八歳。姉のコニーと共に、村から隔てられた美しいお屋敷で暮らしている。

 

正統派児童文学のようなあらすじとかわいらしい表紙が、思わず手に取りたくなります。

本作はそんなイメージで読むと、間違いなく衝撃を受けるでしょう。

実はれっきとした 恐怖小説なんですよ。 

 

キャシーの空想が彩る屋敷での生活は、キラキラと美しく描かれていきます。

そんな中で徐々に姿を見せる村人たちの悪意、主人公の不穏な心理描写が見えてきて…。

血なまぐさい描写があったり、幽霊が出てきたりするわけではありません。それよりももっと怖いものがあるんだと思わせてくれる小説です。

謎だらけで、何か恐ろしいものを隠していそうな危うさもものすごく魅力的。いろいろ考察したくなります。

 

 

 

5.ゲイルズバーグの春を愛す

作・ジャック・フィニィ

 

アメリカの作家フィニィの、すこし不思議な短編集です。

どれもハズレがなく、中でも一押しは最後の一編「愛の手紙」

 

古道具屋で買った机の三段ひきだしに手紙を入れておいたら、過去の人間から返事が帰ってきた !という、ちょっと変わったタイムファンタジーです。

ただし、奇跡が起きるのは3回だけ。

人が過去に行くのではなく、過去のとの繋がりはたった3通の手紙だけなんです。

すでに存在しない人との、ほんの一瞬の繋がり。この切なさは、「君の名は。」にも通じるところがあるのではないでしょうか。

 

その他の話も、どれも優しくてノスタルジックな雰囲気にあふれています。

遠い過去のアメリカへタイムスリップできる短編集です。

 

 

 

6.はるかな国の兄弟

作・リンドグレーン

 

病弱な少年クッキーが、死後の世界ナンギヤラで繰り広げる冒険譚。

リンドグレーンは「長くつ下のピッピ」の作者として有名ですが、本作は「ピッピ」の明るさとはかなりギャップのある物語になっています。

 

花の咲き乱れる「サクラ谷」の自然描写は本当に綺麗で、読んでいて空気がおいしく感じられるほど。

そんな綺麗な世界であるにもかかわらず、そこは死後の世界なんです。

児童文学らしからぬ物悲しさ、虚無感が漂う奇妙なお話。それでも、深く心に染み入ることは間違いありません。

ある意味大人向けのファンタジーです。

 

 

 

おわりに

夏休みに読みたい本や、読書の秋に読みたい本はよくあるけれど、春はあまりない気がして書いてみました。

出してみると意外にたくさんあるんですね〜。

テーマにあう本を探すのが楽しかったので、一年で春夏秋冬を全部作りたいと思います!

 

 

それではまた次回(*^^*)